6/17瑞典と新冠病毒（４）

まだ続けます。

　当初は、入院を考える人だけをPCR検査の対象にしたので、実際の感染者数はもっと多いと思われる。現在では、上気道症状のある人全部にPCR検査をするようになった。死亡者数については、この国の統計は世界的にみても質が高いので、漏れは他国よりは少ないと思う。

　一般の人は、症状が軽度なら在宅が基本である。途中から、医療者は症状があれば、PCR検査を受けるようになった。陰性でも症状があれば、出勤はしない。しかし、日本のように「家族が感染したから出勤しない」はない。

　医療の収容人数を増やす準備は出来ていたので、ICUで２ヵ月以上治療を受けたり、ECMOの治療を４０日間もうけたりした人もあったが、高齢重症者はICUに入れない人もいた。可能性のある若い人には、あらゆる先進医療を限度なしで施す。

【編者注】 ECMO：Extracorporeal Membrane Oxygenation。

　政府の方針として、「感染ピークを抑えることで、医療崩壊を防ぐ」や「高齢者を守る」との説明を受けた。集団免疫に関しては、「結果として付いてくればいい」という感じだった。具体的には、リスクグループの隔離に力を入れ、ソーシアルディスタンスを取ることは、繰り返し指示していた。

　「子供はクラスターにはならない」という判断から、保育園や小中学校は休校はしなかった。共働きが基本なので、休校すると医療者等の現場で必要な人が減るリスクと、子供が教育を受ける権利が重視された結果だった。

　医療に関する方針は、公衆衛生庁の専門家グループが決めて説明した。毎日午後２時に公衆衛生庁と危機管理庁の代表が、合同記者会見を開き、データを解説し、その解釈と方針を説明した。経済救済策以外で、政治家が表に立って説明することはなかった。

　ま～だ続けます。

６月１７日　　ECMOは「初目」だった　　T.HoSoDa

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